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上司と部下

上司と部下

僕は、この言葉を使いません。
人材育成の仕事をする前から、営業でマネジャーをやっていたころから、
使っていません。気持ち悪くて、使えませんでした。偉そうで嫌だし。

この「上司と部下」という言葉の使い方に、日本の組織の生産性の低さが
集約されているのではないでしょうか。

上司、何が上なんでしょう?
部下、何が下なんでしょう?

年齢?
年下の上司、年上の部下、なんて言葉もありますね。

能力?
能力が上だから、上司?
下だから、部下?

成果?
成果が上だから、上司?
下だから、部下?

釈然としませんね。
そもそも、上司とは何をする人なのでしょう?
どんな役割をもっているのでしょう?

上司とは、年功序列の副産物でしかありません。
日本経済が、高度成長期の右肩上がりで、管理職ポストをどんどん作れた頃、
年齢とともに、上司は量産されました。

高度成長期なんて、わずか16年だそうです。
1954年から1970年まで。
1970年は、今から50年前です。

もうそろそろ、50年も前の呪縛から抜け出しませんか?

上司ではなく、マネジャーです。

マネジャーの役割は、業績拡大とメンバーのパフォーマンスの最大化です。
だから、組織やメンバーをマネジメント(なんとかして、どうにかこうにかして、
よい状態にもっていく、パフォーマンスをあげる)する必要があります。

部下ではなく、メンバーです。

組織、チームの一員です。
サッカーチームのメンバーと同じです。
それぞれ、役割や任務がありますが、上とか下ではありません。
年齢や経験の違いはありますが、上でも下でもありません。

そもそも上とか下とか、そんな言葉を使うから、
上司は、何でも知っていて誰よりも仕事ができなくてはならない、なんていう見えないモンスターに捉われてしまいます。
何でも知っていて、誰よりも仕事ができる人、そんな人、稀有な人ですね。
上司も人間です。知らないこともあれば、できないこともある。
たまには、弱音を吐いてもいいでしょう。その方が、チームの心理的安全は高まります。
でも、チームの業績拡大とメンバーのパフォーマンスの最大化には、責任をもって取り組む。
それが、上司、ではなく、マネジャーです。
上で司る人ではなく、役割として、責任をもって何とかする=マネジメントする人なのです。

部下だから、上司の命令に盲目的に従わなくてはならないのではなく、
マネジャーが全体を鑑みて、最適な人材に業務を依頼/命令するのです。
メンバーもその意図と目的を共有して、業務にあたる。
これが、本来のチームの姿ではないでしょうか?

そろそろ、上司と部下という言葉を使うのを、やめませんか?
マネジャーとメンバーで、いいんじゃないですか?