ワールドカフェを、ZOOMでやってみました。
30名で、3ラウンドやりました。
どんなことになったのか、どんなふうにやったのか、紹介します。
結論から言えば、結構できちゃいました。
でも、そこそこの準備が必要なのと、いくつかのポイントがあります。
今回のワールドカフェは、大学3年生を対象にした就活講座でのトライです。
参加者は、ZOOMにそれほど慣れているわけではありません。
数回、ZOOMでのミーティングに参加したことがあるといった程度です。
ワールドカフェが、本来はどんなワークなのかは、ググってみてください。
組織開発の手法のひとつで、メンバー全員の意識共有を図るワークです。
他者の考えや意見を真摯に聴き、自分の意見も率直に発信することで、
新たな気付きが生まれたり、全体の共通認識ができたりします。
今回は、対象が就活生なので、
「あなたは、なぜ働くのか?」というテーマで行いました。
では、どんなふうに実施したのか。
ZOOMのブレイクアウトセッションの機能を使います。
参加者30名を、6つのルームに分けました。5人でひとつのルームになります。
まず最初に、参加者全員を共同ホストに設定します。※結構、手間でした。
共同ホストに設定することで、本人の意志でルーム間の移動ができるようになります。
ワールドカフェでは、グループでの意見共有を、15分程度行います。
それをメンバーを変えて、3ラウンドくらい行います。
1ラウンドが終わると、メンバーは自由に席を移動して、新しいグループで2ラウンド目を始めます。
参加者全員を共同ホストにすることで、ルーム間の移動を自分で行うことが可能となるのです。
ブレイクアウトセッションを始める前に、
ワールドカフェの進め方として、ホストを決めたり、模造紙(今回は別の方法)にいろいろ書き込んだり、
意見を否定しない、テーマに沿った対話をメンバーを変えながら3ラウンド行うなど、
ひと通りのルールと段取りを説明しました。
リアルであれば、やりながらその都度説明できますが、
ONLINEの場合は、最初にしっかり説明しておく必要がありますね。
進め方をまとめたシートを、チャット等で配布してもいいかも知れません。
今回は、そこまで気が回りませんでしたが、次回は進め方シートを配布します。
ワールドカフェでは、リアルで行う際は、テーブルの上に模造紙を用意して
そこに、発言内容や気になったこと、イラストや図など、好き勝手に書き込むことができます。
ONLINE開催では、どうしたか?というと、
今回はGoogleドライブで共有したスプレッドシートを活用しました。
スライドやJAMBOARD、ZOOMのホワイトボードを活用する方法もありましたが、
いろいろ考えてスプレッドシートにしました。
その理由として、
ルームを変えても、模造紙代わりの書き込みはキープされる必要があります。
ワールドカフェのラウンドは、同じ模造紙を使いながら、意見共有を図っていきます。
意見の蓄積が、可視化されていきます。
なので、同じルーム(グループ)はメンバーが変わっても、
同じ模造紙を使用できるようにしなければなりません。
ZOOMのホワイトボード機能を使用すると、ホワイトボードを共有した人がルームを移動すると、
そのルームのホワイトボードは消えてしまいます(保存はできます)。
2ラウンドが始まったときに、1ラウンドの蓄積がないところからのスタートになってしまいます。
スライド、JAMBOARDを使う方法もアリだと思います。
こちらは、Googleが提供するサービスなので、ルームの移動とは関係がありません。
スライドは、パワーポイントと同じですね。文字や図形を書き込むことができます。
JAMBOARDは、付箋を貼るスタイルの共有ボードです。
スプレッドシートにした理由は、セルの幅を調整して正方形にすることで、
大勢で書き込む際に、重なったりせずに、容易に書き込めると考えたからです。
PCでメモを取るときなど、エクセルを使うと、記入する場所を比較的自由に設定できるので使いやすいです。
スプレッドシートを使用した結果、
書き込むこと自体は、難しさや抵抗はなかったようでしたが、
皆が書き込んだ結果が、割ときれいに整理した感じになってしまいました。
スプレッドシートを使用したからなんですが、もっとぐちゃぐちゃと書き込めるといいなとも感じます。
スプレッドシートの共有は、ワールドカフェ=ブレイクアウトセッションを始める前に、
チャットで、GoogleドライブのURLを共有して、アクセスしてもらいます。
事前に、ルームごとにシートをわけて、書き込みしやすいように準備をしておきました。
スプレッドシートを編集可能に設定しておく必要があります。
僕は、閲覧のみのままにしてしまい、慌てて変更しました。
ひと通りの説明をして、参加者の不明点・疑問点をなくしてから、
ワールドカフェ=ブレイクアウトセッションのスタートです。
メンバーは割り振られたルームに分かれていきます。
ルームに分かれてからは、ZOOMのブロードキャスト機能を利用して、
全員にアナウンスをしていきます。
最初にホスト(進行役)を決めてくださいね!とか、テーマは「〇〇」ですよとか。
僕もそれぞれのルームに参加して様子を見て回りました。
どのルームもホストがうまく進行してくれて活発な意見共有をしていました。
リアルワールドカフェとの一番の違いは、トーキングアイテムがないことです。
ここは、ホストのファシリテーションで乗り切ってもらうしかないですね。
事前説明でお願いしておきました。
1ラウンド目、充分に意見共有ができて、そろそろ時間だなという時に
ブロードキャスト機能で、「そろそろ終了です。ホストを残して別のルームへ移動してください」とアナウンスします。
1ラウンド目の終了時は、初めてということもあって、メインセッションに戻ってきてしまう人もいましたが
(その場合はホストである僕がブレイクアウトセッションのルームに参加させます)、
2ラウンド目以降は、みなさん慣れてきて、自由にルームを移動して、
メンバーを見ながらなるべく重ならないように調整してくれました。
メインセッションで、ブレイクアウトルームの参加者の移動状況をみていると、
各ルームを移動する様子が見えて楽しいです。
ただ、注意しておかなくてはいけないことは、スマホからの参加者は自分で移動ができないので、
ZOOMのホストが、移動してあげる必要があります。
なので、基本的にはPCからの参加が望ましいです。
今回もひとりだけスマホ参加がいましたが、その人の移動は僕が行いました。
スマホの人が、ラウンドのホスト/進行役の場合は移動してはいけないので、
そのあたりが大変でした。事前にルームを覗いて確認する必要があります。
そんなこんなで、3ラウンドを終了し、1ラウンド目のルームに再集合してもらいます。
スプレッドシートを見ながら、対話の内容、気付きなどを振り返ります。
ルームでの振り返りが終了したら、全体セッションに戻ってきてもらいます。
ブレイクアウトセッションを行う際に、時間設定することが多いかも知れませんが、
ワールドカフェの場合は、時間設定を行わない方がよいです。
ホストが、様子を確認しながら時間設定をすることができるからです。
ホスト側で、ブレイクアウトセッションを終了させ、全員をメインセッションに回収します。
なので、ラウンドの切り替えも、時間と各ルームの様子を見ながら、アナウンスしました。
メインセッションに全員が戻ったら、ルームごとに感想や気付きを全体共有しました。
この時、スプレッドシートを画面共有して、説明してもらいます。
各ルーム/グループごとに、もっとしっかりとまとめを行う場合もあるかと思いますが、
今回は、それぞれの感想と気付きの共有程度で留めています。
それでも、参加者は他の人の意見や考えを聴くことでたくさんの発見があったようです。
といったことで、約1時間くらいのワールドカフェ@ZOOMを終了しました。
参加者の反応を聴くと、楽しかった!、いろんな意見を聴けて参考になった!とのことでした。
ZOOMでも、ちょっと工夫するとワールドカフェの開催もできそうです。
ポイントとしては、
◎参加者を共同ホストに設定して、自分で移動してもらう
◎模造紙代わりのツール(Googleドライブなど)を用意する
◎ブレイクアウトセッションの時間設定をしない。様子を見ながら終了。
◎PCから参加してもらう(これ大事)
といったところでしょうか。
ブレイクアウトセッションの設定数に制限があるので、あまりに人数が多いとできないですね。
確か50セッションまでだったかと思います。
参加者全員を共同ホストに設定するのも結構大変でした(一括して共同ホストに設定する方法もあるかも知れません)。
また、機会あれば、ワールドカフェ@ZOOM、実施してみたいと思います。
ご参考になれば。