なぜ、40代、50代、60代のオトナがキャリア開発しなければならないのか?
それは、ミドル・シニア世代が、いろいろと厄介な問題を抱えているからと書きました。
役職定年でポストから降ろされ、定年も近づいてくる、定年再雇用で雇用は継続されるが給与はガクッと下がる、会社の中の役割、立場も大きく変化、年下のマネジャーからするとなんだか扱いづらそう、自分自身も老眼や体力の衰えなどで、無理が効かない身体になったきたと実感、さらには、介護やこれから先の老後資金問題など、ホントに厄介な問題をたくさん抱える年頃なのです。
最も大きい問題は、役割・立場の変化ではないでしょうか。
それは、役職から外れる→再雇用になる→定年退職して会社員でなくなるという3段階でやってきます。
大きな大きな、キャリアのシフトチェンジです。
大企業の人ほど、会社にキャリアの主導権を渡し、会社の指示命令で働いてきたのに、定年退職すると、いきなり自分自身にキャリアの主導権が戻ってくるのです。
これは、学生から会社員になるキャリアシフトチェンジ=「就活」よりも大きなキャリアのシフトチェンジだと考えます。
就活は、大学のキャリアセンターやさまざまな就活講座、インターンシップで、会社員になる準備を入念に行います。
一緒に情報交換して切磋琢磨する仲間・同期もいます。自己分析を繰り返し、ガクチカを考え抜き、ES、面接で心を折られまくり、会社員になる準備をします。
入社してからも、新入社員研修、メンター、トレーナーによる手厚い育成体系が用意されています。しっかりと面倒を見てくれる人がいるのです。どれだけ至れり尽くせりな環境でしょう。
さて、ミドル・シニア世代のキャリアシフトチェンジはどうでしょう?
研修もなければ、メンターもトレーナーもいません。何の育成体系も整備されていません。放っぽり出されるのです。
なぜ、大きな意識変革、行動変革が迫られるミドル・シニアには、学生の就活のような、準備期間、対策期間がないのでしょうか。
そんなの仕方ないだろう。そもそも退職後のことなんて知らないよ。会社はそこまで面倒みれないよ。というご意見もあるでしょう。
でも、ミドル・シニア世代のキャリアシフトチェンジを円滑に行うことは、
今現在の会社や組織にもいい影響がたくさんあるのです。
ミドル・シニア世代が将来に備えて、いろいろと動き出す際に、とても良い育成の場、準備の場となるのが、いまの職場です。
今の職場で、役割の変化を受け入れる柔軟性を養い、組織に貢献する姿勢を継続することで、ミドル・シニア世代は、重要な戦力となります。
さらには、将来に備えて、ネットワーク、人脈を拡大しようと動き出すとさまざまな面で、今の仕事によい影響が出てくるはずです。
今の仕事の価値、意義を捉えなおし、いままで以上のモチベーションで取り組むことができるのです。
また、会社の若手社員にも影響が出てきます。
元気に働くミドル・シニア世代は、将来の自分たちの姿でもあります。
会社で働くことの将来性に希望が持てるのです。
これからは、70歳まで働く時代です。会社人生が、38年から48年になるのです。会社が、ミドル・シニア世代のキャリアシフトチェンジ、キャリア形成を支援することはとても重要なことなのです。
では、どんなキャリア形成支援をすればよいのでしょうか。
それは、また次回。
つづく
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