にわかインテグラル理論

ケン・ウィルバー「インテグラル理論」

昨年、門林奨訳、加藤洋平監訳で、発売された。

原著は、2000年に発売されている。

なんと、今から20年前!

 

ケン・ウィルバーの存在は、ついこの前までは知りませんでした。

あるセミナーで、紹介されたのがきっかけ。

 

そのセミナーは、今人気の大学教授が主催していたが、

ケン・ウィルバーのインテグラル理論の説明はグダグダだったことが印象に残っている(笑)。

大学教授だって、知らないことはあるよね。

 

20年も前に、VUCAを生きる人類の方向を提示していると言えるのがインテグラル理論。

確かに、いろいろなことがインテグラル理論で統合できる。

メタ理論(さまざまな理論を統合的に捉えた理論)なのだから当然だともいえるが、

いろんなことが、インテグラル理論的に整理できるのだ。

では、インテグラル理論ってなんなんだ?ということを、

にわか知識で解説してみたい。

 

インテグラル理論のベースとなるのは、

横軸が、内的ー外的、縦軸が、個人ー集団の4象限である。

個人の内面、すなわち、価値観やメンタル、感情 など

個人の外面は、スキルや肩書、など

集団の内面は、組織風土、文化 など

集団の外面は、制度、システム、法律 など

すべては、この4象限の中に入る。

 

たとえば、自我。

インテグラル理論の中では、自我=人の成長段階をメインに紹介している。

それは、スパイラルダイナミクス理論と言われるもの。

TEALのベースになっている理論だと思うとわかりやすい。

※自我の成長段階については別途

 

自我は、個人の内面の象限に入る。

感情やメンタルなど、個人の内面に関わるものはすべてこの象限に入る。

内省力などというものがあるとすれば、それも個人の内面象限だろう。

内省力にも、レベルがある。だんだんと成長、進化していく。

個人内面の象限の中には、感情やメンタル、精神性、内省力など、さまざまな項目がある。

これを、ラインと呼んでいる。

 

さまざまなラインが、それぞれの象限で絡み合っているのが、我々の日常なのだ。

ラインは、レベルを上げたり下げたりしながら、その日の状態・ステイトに影響されながら、

我々の日常は進んでいくのだ。

 

ケン・ウィルバーは、この4象限とそこに入るライン、レベル、ステイトを

考えること、明らかにしていくことが、我々の地図になると言っている。

インテグラル理論は、さまざまな理論を統合した地図なのだ、そうだ。

確かに、インテグラル理論を知ると、いろんなことが整理される。

 

また、ケン・ウィルバーは、地図として整理するだけではなく、

実践が必要だと言っている。それも、4象限を意識した実践。

4象限すべてを実践せよということではなく、

4象限を意識した上での実践。

 

例えば、働き方改革、残業削減という課題があった際に、

インテグラル理論を知っていると、

個人内面象限では、残業をする社員の気持ち、残業を削減をしたい経営者の気持ち

集団内面象限では、残業を受け入れる社内の風土、関係性

個人外面象限では、仕事のスキル、能力

集団外面象限では、就業規則などの制度、研修など

4つの象限を捉えて施策を実施しないと、

施策が偏り、成果が出ないということになる。

 

確かに、そういうことだろう。

制度面ばかりを変えて、社員の気持ちに寄り添えなければ、

どこかで破綻するし、うまくはいかないだろう。

 

まだまだ、インテグラル理論の2%くらいしか理解できていない気がする。

超えて含む、ホロン、第2層など、さまざまなキーワードがある。

それなりに消化してから、また紹介したい。